ほんといろいろ。

小説の感想とその他いろいろ(音楽、映画、壁紙...)愚考録

向こう側。

温泉旅行へ来ている。と言ってもご近所、花巻南温泉郷志戸平温泉である。盛岡に住んでいると、少し山の方へ向かって車を走らせればいくらでも温泉があって、北東北の極寒の冬からささやかに逃避することができるのである。温泉に浸かりながら外の雪景色を眺めていると、大きなガラスで遮られた向こう側の冷たい空気と、こちら側のぬくぬくとした感覚のその差にふと優越感を感じるとともに、生と死を思う。先日、先輩が亡くなった。まだ40歳であった。訃報を友人から知らされた時は愕然とし放心した。本当にいつどうなるかなど誰にも分からないものである。しかし、自分はとりあえず生きていて、それを湯気の向こう、ガラスで遮られた外の世界にそれを感じたのであった。